
こんにちは 四日市市 歯医者 さかもと歯科医院です。
親知らずの抜歯の際の注意事項などについてお話いたします。
親知らずとは
親知らずとは大体17歳~18歳ごろから生えてくる第三大臼歯と言われる歯です。
スペース不足のため横を向いていたり、歯ぐきから少しだけ顔を出すため汚れが溜まりやすく、歯ぐきが腫れたり、手前の歯が虫歯になる原因となります。また、歯列不正の原因となるため予防処置として抜歯対象となる場合もあります。
抜歯をする際の注意事項
タイミング…25歳を超えると歯を支えている骨が硬くなり、抜くときに大変だと言われるので早いタイミングでの抜歯をお勧めします。(親知らずが生えようと動くのも25歳くらいまでと言われています。)また歯ぐきに炎症がある場合は抜いた後に痛みや腫れがが増すため炎症を抑えてからの抜歯となります。
顎の神経、上あご、蓄膿の方…親知らずは下あごの下歯槽神に近く、傷つけると下あご付近の感覚が鈍くなることがあります。よく言うのは、男性ですと、髭剃りの際の感覚が無くなったり、米粒がついていても気づかなかったりします。(止血困難になる場合もあります)上あごの場合は、薄い骨に穴が開くことがありますが、大体は半年ほどで塞がります。蓄膿の方は注意が必要です。
高血圧…140㎜Hg/90㎜Hg以上ある場合を高血圧症といいます。通常高血圧の患者さんは降圧薬にてコントロールされていますが、抜歯時には緊張や痛み刺激により血圧が上昇するため脳、心臓血管、腎臓などの臓器に起こる急性症状が起こるなど合併症に注意が必要です。出血も多くなるため確実な止血が必要となります。麻酔薬もアドレナリンが含まれていると血圧が上昇するため、アドレナリンが含まれていないものを使用します。
虚血性心疾患…一般に抗血栓薬を服用されているため、抜歯の際には止血困難となることがあり適切な止血処置が必要となります。
感染性心内膜炎…全身の血管に細菌が入り心内膜に細菌が付着し心臓の弁がうまく開閉できなくなる疾患です。抜歯やスケーリングなどの歯の治療で歯周病原細菌の血管内への侵入が代表的です。リスクのある患者さんには抜歯などの口腔外科処置、スケーリング、インプラント埋入などを行う際には抗菌薬の予防投与が必要となります。
脳血管疾患…通常抗血栓薬を服用しているため出血に注意します。脳梗塞発症後6か月以内は抜歯などの口腔外科手術は原則行いません。血圧の変動にも注意します。
糖尿病…血糖のコントロール状態を確認します。抜歯やスケーリングの際などの観血的歯科治療の実施にあたり、糖尿病のガイドラインでは、Hba1c7.0未満であることを推奨しています。また空腹時、食後6時間以降の時間帯で歯科治療は行わないように注意し、主治医との連携も必要となります。1週間前に抗菌薬の予防投与が必要な場合もあります。(7.8以上ですと虫歯治療でも注意が必要です)
骨粗しょう症…骨吸収抑制薬を服用していることが多いため顎骨壊死に注意する。顎骨壊死とは抜歯やスケーリングなどでの観血的歯科治療で、歯周病菌が骨に感染を起こします。骨が感染しても骨の代謝が起こらずに菌が留まり、骨が腐ってしまう病気です。
腎疾患…糖尿病の合併症が多いですが抗菌薬の減量や痛み止めはアセトアミノフェンの使用を考慮します。
アレルギー、自己免疫疾患…易感染のため抗菌薬の予防投与やステロイドカバーの必要性について考慮します。
他にも親知らずが深い所にある場合は頭の部分だけ除去し、根っこが頭を出してきたときに残った根を除去する二段階の方法を取る場合もあります。

抜歯をはじめとする多くの口腔外科的治療を行う際は患者さんの心身に何らかの侵襲が加わり、予期しない合併症を起こす場合があります。
一見健康そうに見える若い方でも同様です。
当院ではレントゲン、場合によってはCTを撮らせていただき診断し抜歯を行います。全身状態や、親知らずの状態により市民病院などに紹介する場合もあります。上の親知らずは即日でも抜歯可能な場合がありますが、下の親知らずですと改めて予約をとらせていただきことが多いです。
ご来院の際は健康状態や投薬の内容を聞かせていただきますので検査結果やお薬手帳なども持ってお越しくださいね。
その他、虫歯治療、インプラント、定期検診、インビザライン矯正などお電話、メールでもお問い合わせ下さい。
四日市 さかもと歯科医院
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